「申し遅れて」の意味と正しい使い方の注意点!適切な使用場面の例文とよくある誤用例

ビジネスで使える正しい日本語

「申し遅れて」の本当の使い方をご存知ですか?

「申し遅れて」という表現を日常的に耳にすることは多いかもしれません。
しかし、この言葉を正しく理解し、適切な場面で使いこなしている人は意外と少ないものです。

この言葉には「伝えるべきことを後回しにしてしまった」というニュアンスが含まれており、
主に自己紹介や挨拶などの場面で用いられます。
日本的な礼儀や控えめな姿勢がにじみ出る美しい言葉ですが、
その使い方を間違えると、意図しない誤解を招くこともあります。

本記事では、「申し遅れて」の意味や使い方を解説するとともに、
具体的なフレーズや代替表現についてもご紹介します。
シーン別の例文を通じて、
この便利な表現をより効果的に活用する方法を一緒に見ていきましょう。

さあ、「申し遅れて」という言葉に隠された奥深さを探りながら、
適切な使い方をマスターしてみませんか?

「申し遅れる」の解釈

「申し遅れる」という表現は、
伝えるべきことを言うタイミングを逃す、
本来早く伝えるべきことを遅れて伝える、
という意味を持ちます。

つまり、
伝える順番が後回しになる、
もしくは伝えるチャンスを逃してしまう状況を指します。

例えば、初めて会った相手と会話がある程度進んだ後で、

「失礼いたしました、私は○○社の○○と申します。」

というように、
遅れて自己紹介をする場合に使われることが多い表現です。

この一言には、控えめで慎み深い日本らしい礼儀が表れていますよね。

「申し遅れて」のおすすめフレーズ30選

「申し遅れて」という表現は、
自己紹介や挨拶の場面でよく使われるフレーズですが、
それ以外のシーンでも活用することができます。
また、目上の方に対して使用しても問題ありません。

感謝やお礼の場合

感謝やお礼を伝えるタイミングが遅れてしまった際に、
「申し遅れましたが」を用いることで、
丁寧さを保ちながら謝意を表すことができます。

例文:

  1. 「申し遅れましたが、私は青森県八戸市で地域情報誌『○○』を発行している(株)△△の販売部長、吉田と申します。」
  2. 「当日にお礼を申し上げるべきでしたが、遅れてしまい申し訳ございません。申し遅れましたが、鈴木様には心より感謝申し上げます。」
  3. 「申し遅れましたが、私は高橋健一と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
  4. 「先日はありがとうございました。申し遅れましたが、皆様のご協力に心より感謝いたします。」
  5. 「ご多忙の中、お時間を割いていただきありがとうございました。申し遅れましたが、感謝申し上げます。」
  6. 「先日提出した資料が好評をいただき、○○賞を受賞いたしました。申し遅れましたが、皆様のお力添えに感謝申し上げます。」
  7. 「素晴らしい会を開催いただき、誠にありがとうございました。申し遅れましたが、心より感謝いたします。」
  8. 「申し遅れましたが、皆様のさらなるご繁栄をお祈り申し上げます。」
  9. 「日頃よりお世話になっております。申し遅れましたが、ささやかな品をお送りしました。」
  10. 「申し遅れましたが、本日司会を務めさせていただきます、山田商事の川村と申します。」

謝罪・お詫びの場合

「申し遅れました」は、連絡や返信、報告などが遅れてしまった際に使用することが多い表現です。
単なる「申し遅れました」では誠意が伝わりにくいため、必ずお詫びの言葉を添えましょう。

例文:

  1. 「申し遅れましたが、ささやかな贈り物をお送りしました。ご笑納ください。」
  2. 「先日は連絡が遅れてしまい申し訳ございません。申し遅れましたが、明日書類をお送りいたします。」
  3. 「出張しておりご連絡が遅れました。申し遅れましたが、打ち合わせは予定通り20日の15時でお願い申し上げます。」
  4. 「お返事が遅くなり申し訳ありません。申し遅れましたが、参加させていただきます。」
  5. 「不手際があり、挨拶が遅れてしまいました。申し遅れましたが、大変失礼いたしました。」
  6. 「申し遅れましたが、来週の月曜と火曜に休暇をいただいております。」
  7. 「申し遅れましたが、先ほどの件につきましては財務担当の田村と相談いたします。追ってご連絡いたします。」
  8. 「お知らせが遅れてしまい申し訳ありません。申し遅れましたが、心よりお詫び申し上げます。」
  9. 「申し遅れましたが、取引先のC社は今期大幅な黒字を記録しているそうです。」
  10. 「申し遅れましたが、来週の会議で使用する資料を作成済みです。本日送付いたしました。遅くなり申し訳ありません。」

お祝い・お悔やみの場合

お祝いの言葉やお悔やみを伝える際に、
遅れてしまったことを詫びながら伝える表現です。

例文:

  1. 「お久しぶりです。申し遅れましたが、お誕生日おめでとうございます。」
  2. 「申し遅れましたが、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」
  3. 「年末年始はご挨拶が遅れました。申し遅れましたが、あけましておめでとうございます。」
  4. 「先ほど先生のご訃報に接しました。申し遅れましたが、心よりお悔やみ申し上げます。」
  5. 「申し遅れましたが、ご開店おめでとうございます。」
  6. 「このたびのご栄転、誠におめでとうございます。申し遅れましたが、お祝い申し上げます。」
  7. 「申し遅れましたが、このたびのご不幸に心よりお悔やみ申し上げます。」
  8. 「木村さん、申し遅れましたが、ご結婚おめでとうございます。」
  9. 「申し遅れましたが、このたびの昇進、誠におめでとうございます。」
  10. 「申し遅れましたが、来月に予定されていた会議が延期になりました。」

「申し遅れて」の誤用例と代替表現

次のような使い方は、
「申し遅れて」の本来の意味から外れており、
適切ではありません。


誤用例:

  • 長らくお待たせしました。申し遅れまして、申し訳ございません。
  • 始業時間に申し遅れてしまいました。申し訳ありません。
  • 申し遅れましたが、悪天候の影響で遅れていた工事が無事終了しました。
  • 資料作成が申し遅れてしまいました。申し訳ございません。
  • 申し遅れましたが、お客様のご注文品がようやく入荷いたしました。
  • 電車に申し遅れてしまい、アポイントに遅れそうです。
  • 申し遅れましたが、今月の収支報告を行いたいと思います。

これらの表現は、文脈に合わないため不適切です。
「申し遅れて」は自己紹介や挨拶の際に使われるものであり、
時間の遅れを直接指摘する場面では適しません。

類語表現と適切な使用例:

1. 「遅くなりましたが」

時間や準備が遅れてしまった場合には、
「申し遅れて」ではなく「遅くなりましたが」を使用します。
この表現は、相手に対する恐縮やお詫びの気持ちを含みつつ、
状況を穏やかに伝えることができます。

使用例:

  • 「遅くなりましたが、お弁当の準備ができましたので、どうぞお召し上がりください。」
  • 「遅くなりましたが、お客様がご注文された商品が入荷しました。」
  • 「遅くなりましたが、資料が完成しましたので、こちらに置いておきます。」

2. 「今更ですが」

「今更ですが」は、
「以前に伝えるべきだったが、今になって改めて伝える」
という意味を持つ表現です。
この言葉は、タイミングを逃してしまったものの、
どうしても伝える必要がある場合に用います。

使用例:

  • 「今更ですが、修正版の提案書をお送りしました。お手すきの際にご確認ください。」
  • 「今更ですが、渡辺さん、お誕生日おめでとうございます。」
  • 「今更ですが、本日ご注文いただいていた商品が入荷しましたので発送いたします。」

注意点:

「申し遅れて」は丁寧な言い回しではありますが、
その適用範囲は限られています。
誤って時間の遅れや手続きの遅延に使用しないよう、
シーンごとに適切な言葉を選びましょう。

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