「先だって」の2つの意味と使い方|正しい適切な場面での使用例文と誤用のNG例文

ビジネスで使える正しい日本語

「先だって」という表現は、日常会話やビジネスシーンでしばしば耳にする言葉ですが、正しい意味や使い方について少し疑問を感じることもあるかもしれません。

この言葉には「この前」や「前もって」といった意味があり、特にビジネスシーンではよく見かけます。

しかし、誤用してしまうことも少なくなく、適切なタイミングで使うことが大切です。

この記事では、「先だって」の正しい意味や使い方を詳しく解説し、ビジネスシーンでどう活用するかについても触れていきます。

「先だって」の意味

「先だって」には2つの意味があります。

1つ目は、「さきだちて」が語源の「時間に関する意味」です。

例えば、「先だって徳永様にお会いできて光栄でした」や、「先だって息子によくしていただきありがとうございました」、「先だってお会いしたことがありますよね?」のように、「この前」や「先日」といった、相手が記憶している範囲の過去の時期を表す際に使います。

2つ目は、「事前の準備」や「前もって」という意味合いです。

例えば、「会議に先だって資料の準備をお願いします」、「先だって持病があることはお伝えしました」、「旅行に先だってチケットを手配する」、「先だってお付き合いしていた彼と入籍しました」といったように、「事が起きる前に」というニュアンスで使われます。この場合、「先だつ」という言葉が転じて使われています。

「先だって」の読み方と漢字

再度お伝えしますが、「先だって」の正しい読み方は「せんだって」ではなく「さきだって」です。

「先」という漢字は「先じて」のように「せん」と読まれることもありますが、正しい読み方は「さきだって」であるため、間違えないようにしましょう。

また、「さきだって」の漢字には「先だって」以外に「先達て」という表記もありますが、一般的には「先だって」が使われます。

「先達て」の読み方は「さきだって」とも「せんだって」とも読めますが、「せんだって」と読む場合は、意味が1つ目の「この間」のみとなります。

「先だって」の使い方

「先だって」の意味は、主に「先日」や「前もって」「あらかじめ」といった意味になります。

この表現は、直近ではなく、少なくとも1日以上前の出来事を指す場合に使われます。

使い方としては、例えば「先だってはお世話になりました」や「先だってお話しした件について」などがあります。

「先だって」という言い回しは、少し古風な表現ですが、ビジネスシーンでは現在でも頻繁に使用されています。

直近の出来事について「先だって」を使うのは誤りですので、適切なタイミングで使うよう心掛けましょう。

「先だって」の文例30選

  • 先だってご指摘いただいた内容について、資料としてまとめました。
  • 先だってお会いした際は、大変お世話になりました。
  • 先だっては貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。
  • 会議に先だち、配布用の資料を準備いたします。
  • 先だってご案内した通り、来週はお休みをいただきます。
  • 試験に先だって、必要な持ち物をしっかり確認します。
  • 先だってご連絡した件について、その後の進捗はいかがでしょうか。
  • サービスの正式公開に先だち、ベータ版をリリースいたします。
  • 先だっては、お忙しい中ありがとうございました。
  • 我々の一行は先だって出発しようとしました。
  • 先だっては大変お世話になりました。御社の商品は、お客様から高評価をいただいております。
  • 先だってのセミナーでは、講師としてご尽力いただきありがとうございました。そのおかげで、非常に有益な学びを得ることができました。
  • 先だっては、大変お世話になり、ありがとうございました。
  • 調査に先だって、資料の準備をお願いできますでしょうか?
  • 先だっては、お忙しいところお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
  • 先だっての会議では、貴重なご意見を賜り、感謝しております。
  • 明日の講義に先だって、ぜひ予習を済ませておいてください。
  • 新体制のスタートに先だって、ご質問があればお伺いします。
  • 私は先だって、出発する予定でした。
  • 先だって観た絵画は、本当に素晴らしいものでした。
  • 先だって観た映画を久しぶりに再び見ることになった。
  • 長男は先だって他界したため、家族の財産は次男が相続することになった。
  • これに先だって、会議室内ではこのような内容が話し合われていた。
  • 先だって発生した出来事には、少し驚かされることがありました。
  • 先だっては、大変なご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
  • 先だっては、度重なるご指導を賜り、誠にありがとうございます。
  • 先だってお送りしたメールについて、何かご回答をいただけましたでしょうか?
  • 先だってはお忙しい中、ご返信いただきありがとうございました。
  • 試験に先だち、まず初めに説明会が開催されました。
  • 本会議に先だつ、一般職レベルの会議で本会議の議題草案がまとめられました。

「先だって」の誤用例

  • 今すぐ先だって作業を開始してください。
  • 先だってこれからクレーム対応を行います。
  • これに先だって意見が分かれ、収拾がつかなくなっています。
  • 先だって恐縮ですが、私、○○社の内田と申します。
  • これに先だって、大変申し訳ございません。
  • 先だってお伝えした通り、打ち合わせは21日の15:00からです。
  • 先だってよろしければ、私が担当させていただきます。

このような使い方は、誤りであることを理解しておきましょう。

「先だって」の営業マンとしての使い方

ビジネスシーンで「先だって」を使う場面は、主に手紙やメールなどの書面が多いです。直接的に口頭で使用することは少なく、敬語として社外の方に対して用いられます。

例えば、

「先だってのゴルフでは、大変お世話になりました」や 「先だっては○○がご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした」などの、お礼や謝罪の言葉が冒頭に使われることがよくあります。

また、「○○に先だって説明会を開催いたします」というように、予定や告知を伝える際にも利用されます。

手紙やメールを頻繁に使う部署では、「先だって」の適切な使い方を知っておくと非常に役立ちます。

この表現の意味や使い方を理解し、文例や英語での表現も覚えておくことで、日常的に活用できるようになります。特に目上の方への言葉遣いには適した表現が含まれており、積極的に使いこなすことで、自然と自身の言葉として定着させることができるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました