ビジネスシーンや日常生活において、訪問先を離れる際に使う「長居をいたしまして」という表現を聞いたことはありますか?
この言葉は、予定以上に長くその場に滞在してしまった時に使う、非常に便利で礼儀正しいフレーズです。相手に感謝の気持ちを伝えつつ、丁寧にその場を後にするための言葉として広く使われています。
しかし、この表現をどう使うかには注意が必要です。適切なタイミングや使い方を間違えると、相手に不快感を与えてしまうこともあります。
今回は、「長居をいたしまして」を上手に使うためのポイントや具体的な文例を紹介しますので、訪問先でのマナーを改めて確認してみましょう。
「長居をいたしまして」の意味
「長居をいたしまして」という表現は、通常、予定以上に長い時間その場所に滞在してしまった際に使うフレーズです。
「長居」の意味は、文字通り「同じ場所に長くいること」や「長時間そこにいること」、あるいは「長く居座ること」を指します。
帰る際に、「すっかり長居をいたしまして、申し訳ありません」といった形で使うことが多いです。
相手が自分に時間を割いてくれたことに感謝を表し、気配りを示す言葉としても適しています。
訪問先を離れる際に使う言葉とは?
訪問先の会社や家庭を離れる際、どのような言葉を使うのが適切でしょうか。
思いつく限り、いくつかのフレーズを挙げてみます。
「長居をいたしまして」
「お先に失礼いたします」
「失礼させていただきます」
こうした表現が考えられます。
「帰ります」という言葉は避けることが多いため、これらのフレーズが役立ちます。
相手に対して不快感を与えず、丁寧にその場を後にすることができます。
「長居をいたしまして」の使い方
「長居をいたしまして」を使う際には、注意が必要です。
基本的に、訪問した家や会社で自分から帰ることを言い出すのは、失礼にあたる場合があります。
そのため、使い方を間違えると、相手に不快感を与えてしまい、最悪の場合、怒らせてしまうことも考えられます。
では、「長居をいたしまして」をどのように使うのが適切なのでしょうか。
「長居をいたしまして」を言い出すタイミングは、かなり難しいものです。
訪問後、何分経過したからと言った明確な基準は存在しません。
その場の状況や自分の状態、今後の流れなどを総合的に判断して、適切なタイミングで切り出さなければなりません。
「長居をいたしまして」を使う際は、必ずその理由を添えることが重要です。
例えば、
「次の予定があるため」
「長くお邪魔するとご迷惑かと思いまして」
といった理由を加えるのが良いでしょう。
「長居をいたしまして」のNG例
- (商談の途中で)長居をいたしまして、これから失礼いたします。
- ご無沙汰しております。本日は長居させていただきます。
- 良い結果が得られない場合、これ以上長居はできません。
- まことに不本意ですが、長居するわけにはいきません。
- 長居する理由をお答えするほどのことではありません。
- 「長居をいたしまして」とおっしゃいますが、少々釈然としません。
このような使い方は誤りです。
すべてのシーンで使えるわけではない
「長居をいたしまして」という言葉は、ビジネスの現場で使うことができます。
ただし、すべての状況に適しているわけではありません。
まず、重要な商談の場合、自分から席を立つことは絶対に避けるべきです。
どのような理由であれ、自分から席を立つことは、その時点で商談が成立しないという印象を与えてしまいます。
「長居をいたしまして」という言葉が使えるのは、相手から招かれた場合や、顔合わせを兼ねた挨拶をする場合です。
現在のように、メールや電話でのコミュニケーションが増えている時代でも、対面でのコミュニケーションは非常に重要です。
高額商品を取り扱う場合、訪問面談が主流となります。
途中で帰ることが前提であっても、積極的に訪問することが推奨されます。
帰るタイミングは、「もう少しお話ししたかった」と思わせるくらいが理想的です。
一般的な訪問は、長くても2時間前後です。
訪問時には「おおよそ1時間ほどお邪魔させてください」とあらかじめ伝えておくと、引き際のタイミングがつかみやすいです。
そうでない場合は、話の流れが変わるタイミングを見計らって、「長居をいたしまして」と切り出すのが良いでしょう。
相手に引き止められることもあるかもしれませんが、椅子から立ち上がる、座布団をずらすなどの動作を伴わせて姿勢を正し、「今日はありがとうございました」と挨拶をして終了します。
引き止められたからといって、さらに長居することは避けましょう。
訪問の目的や趣旨にもよりますが、惜しまれつつ、もう少しお話ししたかったと思わせるくらいが、スマートに訪問を終えるコツです。
帰宅後にお礼状を出すとより丁寧
訪問後は、できるだけ早めにお礼状を出すか、翌日にはお礼の電話をかけることが理想です。
現代では、何でもメールで済ませがちですが、だからこそ、手書きのお礼状が効果的です。特に営業職の方々にはお勧めします。
相手がメールをよく使う場合、メールでも構いませんが、携帯メールでお礼を済ませるのは、よほど親しい関係でない限り、避けた方が無難です。
「長居をいたしまして」のお勧め文例20選
「長居をいたしまして」について、以下の文例を参考にしてください。
こちらがランダムに並び替えたリストです:
- 「つい長居をいたしました。そろそろおいとまいたします。」
- 「長居をいたしました。そろそろお暇しなければなりません。お邪魔しました。」
- 「美味しい手料理と楽しい会話に夢中になり、長居をいたしました。」
- 「先日は、ありがたいお言葉に甘えて、長居をいたしまして失礼いたしました。」
- 「居心地の良い空間でつい長居をいたしました。御社の住宅見学会に参加し、家を建てたいという意欲が湧きました。」
- 「ついつい長居をいたしまして、楽しい時間を過ごさせていただきました。」
- 「長居をいたしまして、誠に申し訳ありませんでした。」
- 「先日は、長居をいたしまして、失礼いたしました。」
- 「名残惜しいですが、長居をいたしまして失礼ですので、そろそろお暇いたします。」
- 「つい甘えて長居をいたしまして、申し訳ありませんでした。」
- 「明日の○○商事の接待ではお酒をほどほどにし、長居は避けるようにします。」
- 「その際はお邪魔いたし、お言葉に甘えて長居をいたしまして、失礼いたしました。」
- 「明日訪問予定の○○商事ですが、専務が非常に話好きなので、あまり長居をしないように気をつけます。」
- 「予想以上に長居をいたしました。それではおいとまいたします。」
- 「お話が楽しくてつい長居をいたしました。本日はそろそろお暇いたします。次回お会いできることを楽しみにしています。」
- 「長居をいたしまして、ごめんなさい。ごちそうさまでした。」
- 「つい長居をいたしました。そろそろおいとまいたします。」
- 「これ以上長居をいたしますとご迷惑をおかけするかもしれませんので、そろそろ失礼いたします。」
- 「旅先の宿は本当に心地よく、もっと長居をしたい気分でした。」
- 「ご親切に甘えて、長居をいたしまして本当にお世話になりました。」
「長居をいたしまして」のまとめ
今回は「長居をいたしまして」を中心に、訪問先から失礼する際のマナーについて触れてみました。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、ビジネスシーンでは帰り際にかける一言が大きな意味を持つことがあります。
営業の場合、思い通りにいかない帰り際は、どうしても辛いものです。
しかし、そんな時こそ、最高の笑顔で相手に挨拶をすることを忘れないようにしましょう。
もし、相手に納得のいく返事をもらえなくても、心から相手に尽力したなら、不思議と他のところで良い結果が得られるものです。
自分に時間を割いてくれた相手には、感謝の気持ちと姿勢を示して、丁寧にその場を後にすることが大切です。
その積み重ねが、トップセールスへと繋がっていくのです。
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