ビジネスの場や日常の会話で使われる「お取り計らい」という言葉。
敬語として非常に丁寧で、相手に対して感謝の気持ちやお願いを伝える際に使われますが、その意味を正しく理解しないまま使っていることも少なくありません。
「お取り計らい」の本来の意味や、どのようなシーンで適切に使用するかを学ぶことは、円滑なコミュニケーションを築くために大切です。
この記事では、この言葉の正しい意味と使い方のポイントを解説し、ビジネスで役立つ例文も紹介します。
「お取り計らい」の意味とは
「お取り計らい」という言葉の意味は、「取り計らい」を丁寧に表現したものです。
「取り計らい」の本来の意味は、様々な事柄を調整し、便宜を図ったり対応したりすることです。時に、「お取り計らい」が相手への配慮や気遣いを指すと誤解されることがありますが、それは正しい解釈ではありません。
「お取り計らい」は敬語として適切な表現ですが、注意が必要です。というのも、「取り計らい」には、細々とした事柄を処理するという意味合いが含まれているため、目上の人に使う際に少し抵抗を感じることもあります。また、この言葉を受けた目上の方によっては、十分な敬意が感じられないと感じる場合もあります。
「お取り計らい」の使い方のポイント
「お取り計らい」の使用法には、いくつかの重要なポイントがあります。
- 感謝の気持ちを伝える時
「取り計らい」は、相手に感謝を示す場面で使用できます。例えば、過去に相手が特別な配慮をしてくれた場合や、大きな支援を受けた際に、「ありがとうございます」や「感謝いたします」といった言葉と一緒に使います。 - お願いをする時
もう一つの使い方として、相手に対して依頼をする際に使用することができます。これから協力をお願いする場合や、根回しを頼みたいときに、「よろしくお願い申し上げます」などと一緒に使います。 - 特別な対応をお願いする時
ビジネスの場面では、最終的な決定に大きな影響を与えるような重要な事柄について、特別な対応をお願いしたい時に使います。例えば、「連絡をお願いしたい」「午後までお待ちいただけますか」などの小さなお願いには不自然です。
「お取り計らい」のお勧め文例３０選
- 先日の件、迅速にお取り計らいいただけますと幸いです。
- 先日はお取り計らい頂き、誠にありがとうございました。
- 何卒ご配慮のうえ、適切にお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- 今回の処理について、何卒お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- 来月の人事異動に伴い、お取り計らいのほどよろしくお願い申し上げます。
- お願いしていた作業について迅速にお取り計らいいただき、誠にありがとうございました。
- 今回のトラブルに関して、適切にお取り計らいいただき、大変ありがとうございました。
- 今回の提案に関して、お取り計らいを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
- プロジェクトを開始するにあたり、引き続きお取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。
- プロジェクトの進捗に関しまして、お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。
- 格別なご配慮を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
- 社長との面談について、お取り計らい頂き、心より感謝申し上げます。
- ○○を別便にてお送りいたしましたので、ご確認のうえ、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- まだ入社したばかりですが、今後ともお取り計らいのほどお願い申し上げます。
- 何卒ご引見のうえ、ご便宜お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- 失礼ながら、6月15日に弊社の担当者にてお支払いが必要な料金を同封いたしますので、ご確認の上、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- 新規事業の立ち上げに際しまして、今後ともお取り計らいをお願い申し上げます。
- 結婚式の進行に関してさまざまなお取り計らいをいただき、深く感謝申し上げます。
- 突然のお願いで恐縮ですが、何卒お取り計らいをお願い申し上げます。
- 今回の件、何卒お取り計らい賜りますようお願い申し上げます。
- 御社のご都合に合わせて、1時間ほど工場見学の手配をお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- この機会にぜひ当社の新製品「○○」の導入をご検討いただきたく、お取り計らいをお願い申し上げます。
- 来月の人事異動の際には、お取り計らいのほどよろしくお願いします。
- お願い申し上げます。引き続き、田中課長にお取り計らいいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
- 今回の提案について、お取り計らいのほどよろしくお願いいたします。
- 何卒お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。
- 私は転勤いたしますが、残されたスタッフについて今後ともお取り計らいのほど、よろしくお願いします。
- 取引先との打ち合わせの際、お取り計らい頂き、ありがとうございました。
- 失礼いたしますが、弊会受付にてお支払いすべき会費を同封いたしますので、どうぞお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- 10月5日までに当社に届くように、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
「お取り計らい」の誤った使用例
- ほんの気持ちですが、お取り計らいをお願い申し上げます。
- 現在、お取り計らい中ですが、このままで問題ないでしょうか？
- あなた様に是非、お取り計らいをお願いしたいのですが…
- お取り計らいさせていただきましたが、残念ながら…
- どうかご容赦いただき、お取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
- ご親切にお取り計らい頂ければ幸いです。
- お取り計らいに関しては、少しも躊躇いたしません。
このような表現は、適切ではありません。
「お取り計らい」を営業職でどう使うか
「お取り計らい」とは、「良い結果を得られるように相手にうまく対応してもらう」という意味で、相手の労力に感謝の気持ちを込める便利な表現です。
この言葉は上司や目上の人に使うことができますが、少し堅い印象を与えることもあるため、紹介した類義語をうまく組み合わせて使い分けることが大切です。
メールや手紙、または直接話す際にも役立つ表現です。私自身、会計事務所から仕事を依頼されたときや、クライアントからの紹介を受けた際などに「お取り計らい」を頻繁に使用していました。
敬語はビジネスマンとしての基本的なスキルであり、うまく使えないと、相手に失礼な印象を与えてしまったり、恥をかいたりする可能性があります。
「お取り計らい」という言葉は、感謝の気持ちやお願いをする場面でも使え、使い方を覚えておけば非常に便利です。
敬意を表したい相手や、敬語を使うべきシーンで適切に使うことで、相手に不快感を与えたり、失敗することなく、円滑なコミュニケーションを取ることができます。
「お取り計らい」は多様な言い回しができる表現で、同義語や類義語も豊富に存在します。これらを覚え、言い回しのバリエーションを増やすことで、さらに適切に使いこなせるようになります。
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