「ひとつ確認させていただきたい」の正しい使い方とは?失礼のない適切な使用例文とNGな誤用表現

ビジネスで使える正しい日本語

ビジネスシーンで相手に確認したいことがある場合、適切な言葉選びが非常に重要です。特に「確認したい」というフレーズを使う際、相手に対してどれだけ丁寧に、かつ明確に伝えるかがポイントとなります。その中でも「ひとつ確認させていただきたい」という表現は、より丁寧で慎み深い言い回しとして、ビジネスメールや会話でよく活用されます。

このフレーズは、単に「確認したい」と伝えるだけでなく、「相手に許可を得て確認をする」というニュアンスを含んでいます。そのため、相手に対する配慮や自分をへりくだる姿勢が表れるのです。言葉を使い分けることで、相手に良い印象を与えると同時に、コミュニケーションの質も向上します。

この記事では、「ひとつ確認させていただきたい」の使い方を詳しく紹介し、どんな場面で活用できるのかを具体的な例を交えて解説します。ビジネスシーンで使える表現を身に付け、より円滑で信頼されるコミュニケーションを目指しましょう。

「確認したい」の丁寧な言い回し

「確認させていただきたい」は、「確認したい」のより丁寧な表現です。

このフレーズは、「自分が確認をお願いする」という意味を含み、へりくだった言い方になっています。

そのため、同じ「確認したい」を表す言葉でも、

  • 「確認したいです」
  • 「確認したいと存じます」

といった表現とは微妙にニュアンスが異なる点に注意が必要です。

また、「ひとつ確認させていただきたい」の「ひとつ」には、

「聞きたいことは複数あるが、特に重要なものをひとつだけ確認したい」
または
「大事なことなので、この一点を押さえれば十分」

といった意味が含まれています。

このように、ちょっとした言葉の違いが、伝わり方に影響を与えるため、適切な場面で使い分けることが大切です。

「ひとつ確認させていただきたい」の適切な使い方

「ひとつ確認させていただきたい」は、相手に対して確認の意思を伝える際によく用いられる表現です。

「確認させていただきたい」は、「確認したい」をより丁寧に表現したもので、自分をへりくだる形になっています。

この「させていただく」という表現には、「相手の許可を得て行う」「相手にとってメリットのある行為である」というニュアンスが含まれているため、状況によっては適切でない場合もあります。

たとえば、以下のような場面では自然に使うことができます。

  • 修理を依頼された商品の状態を確認する場合
  • 部下や後輩の業務内容をチェックする場合

それでは、具体的な例文をいくつかご紹介します。

例文

  • 「ひとつ確認させていただきたいのですが、主にどのような目的でご利用予定でしょうか?」
  • 「ひとつ確認させていただいてもよろしいでしょうか。ご希望の納期はいつ頃をお考えですか?」

「ひとつ確認させていただきたい」のビジネスメールでの活用

1. 採用担当者への問い合わせ(転職時)

件名:処遇に関するご質問(氏名)

株式会社〇〇

人事部 佐藤様

お世話になっております。
田中と申します。

この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。

さて、入社後の勤務条件について、ひとつ確認させていただきたいことがございます。

募集要項には「転勤なし」と記載がありましたが、雇用契約書には「原則として転勤なし」となっておりました。
場合によっては異動の可能性があると理解してよろしいでしょうか。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

2. 製品に関する問い合わせ

件名:製品仕様についてのお問い合わせ(社名・氏名)

株式会社〇〇

営業部 山本様

突然のご連絡失礼いたします。
株式会社△△の開発部に所属しております鈴木と申します。

貴社のウェブサイトを拝見し、ご連絡させていただきました。

現在、新製品開発に向けて〇〇という特性を持つ素材を探しております。
そこで、ひとつ確認させていただきたいのですが、貴社の製品Bは〇〇用途に適用可能でしょうか?

お忙しい中恐れ入りますが、ご教示いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

3. 提案内容に関する確認

件名:先日のご提案について(社名・氏名)

株式会社〇〇

営業部 高橋様

お世話になっております。
株式会社△△の伊藤です。

先日は弊社までお越しいただき、貴社のサービスについてご説明いただきありがとうございました。

さて、先日ご提案いただいた内容について、ひとつ確認させていただきたいことがございます。
弊社と同業種での導入事例はございますでしょうか?

お手数をおかけいたしますが、ご回答いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

4. 確認事項の有無を尋ねる際の活用

件名:〇〇のご利用状況について(社名・氏名)

株式会社〇〇

サポート部 中村様

お世話になっております。

平素より弊社製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

さて、今月より〇〇様には弊社の△△サービスをご利用いただいておりますが、ひとつ確認させていただきたいのですが、ご不明な点はございませんか?

何かご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

このように、「ひとつ確認させていただきたい」は、ビジネスの場面でさまざまな用途で活用できます。
適切な表現を使い分け、円滑なコミュニケーションを心がけましょう。

「ひとつ確認させていただきたい」の不適切な使い方

以下のような使い方は避けるべきです。

NG例

  • ひとつ確認させていただきましたが、さらにいくつか確認したいことがあります。
  • ひとつ確認させていただきたいのですが、このプロジェクトの詳細(趣旨・予算・計画など)すべて教えてください。
  • ひとつ確認させてくださり、大変恐縮しております。
  • ひとつ確認させていただくにあたり、誠にありがたく存じます。
  • ひとつ確認させていただきたいのですが、ご利用目的をできるだけ多く挙げてください。
  • ひとつ確認させてくだされば、これ以上の喜びはありません。
  • ひとつ確認させていただきたい、詳細まで細かくご説明いただけますか?

このような表現は不自然であったり、誤った敬語の使い方になっていたりするため、注意が必要です。

また、「させていただきたい」は、相手の許可を得る場面や、相手にとってメリットがある場合に適切に使われるべき表現です。そのため、確認すること自体が相手の利益にならない場面では、不適切になりやすいです。

さらに、目上の人に使う場合は、表現を慎重に選ぶ必要があります。単に確認したいことを伝えるだけでなく、何を確認したいのかを明確に示すことが重要です。

適切な例文

  • 「現場の進捗について、ひとつ確認させていただきたいのですが。」
  • 「先日提出した中間決算の数値について、改めてひとつだけ確認させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

このように、相手に対して丁寧かつ明確に伝えることで、誤解なく適切にコミュニケーションを取ることができます。

「ひとつ確認させていただきたいのですが」の活用例20選

  1. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、〇〇へ行かれたのはいつ頃でしょうか?」
  2. 「進捗状況について、ひとつ確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
  3. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、お客様のサイズはどのくらいになりますでしょうか?」
  4. 「導入を検討される場合の時期について、ひとつ確認させていただきたいのですが。」
  5. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、どのような人材を求めていらっしゃいますか?」
  6. 「今後の方針について、ひとつ確認させていただきたいのですが、どのようにお考えでしょうか?」
  7. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、ご希望の商品はこちらでお間違いないでしょうか?」
  8. 「お車のご購入を検討されているとのことですが、ひとつ確認させてください。主な使用目的をお聞かせいただけますか?」
  9. 「納品のスケジュールについて、ひとつ確認させていただきたいのですが、具体的にいつ頃のご予定でしょうか?」
  10. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、今回の北海道旅行の目的は食を楽しむこと、特に海鮮を堪能することでよろしいでしょうか?」
  11. 「念のためひとつ確認させていただきたいのですが、会議資料の提出期限は今週末で間違いないでしょうか?」
  12. 「お子様用の野球グローブをお探しとのことですが、ひとつ確認させてください。硬式用、左利き、内野手向けということでよろしいでしょうか?」
  13. 「中古物件をお探しとのことですが、ひとつ確認させていただきたいのですが、エリアのご希望はございますか?」
  14. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、貴社の佐藤部長はお酒がお好きな方でしょうか?」
  15. 「ひとつ確認させていただきたいのですが、ご予算の上限はどのくらいでお考えでしょうか?」
  16. 「今回のご不満やクレームについて、ひとつ確認させていただきたいのですが、最も大きな要因は何でしょうか?できる限り対応させていただきます。」
  17. 「ひとつ確認したいのですが、鈴木課長が苦手な理由をお聞かせいただけますか?今回のプロジェクトはチームワークが重要ですので、理解しておきたいと思っています。」
  18. 「面接に際し、ひとつ確認させていただきたいのですが、ご希望の勤務地はございますか?」
  19. 「購入を検討するにあたり、ひとつ確認させていただきたいのですが、メーカー保証はございますか?また、保証期間はどのくらいでしょうか?」
  20.  「貴社の新商品について、ひとつ確認させていただきたいのですが、使用されている原材料はどちらのものを採用されていますか?」

まとめ:「ひとつ確認させていただきたいのですが」を営業職が活用する方法

冒頭で述べたように、「ひとつ確認させていただきたいのですが」を上手に使うことで、相手が曖昧に話している内容をしっかりと確認することができます。営業職の方にとって、これは非常に効果的な武器になると言えます。

なぜなら、お客様の多くは自分の希望や要望が曖昧なことが多いからです。会話が本題から逸れてきた時、例えば「ひとつ確認させていただきたいのですが、今日は〇〇についてお話ししているという認識で間違いないでしょうか?」と質問することで、話題を再度こちらに引き寄せることができます。

また、お客様の「欲求」、つまり希望や要望、または解消したい不満は、往々にしてはっきりしないものです。しかし、「ひとつ確認させていただきたいのですが」を使うことで、どんな点にお困りなのか、またはどんな解決を望んでいるのかを明確に確認できます。

ただし、このフレーズを活用するためには、相手の言葉にしっかりと耳を傾けることが大切です。自分の質問を通じて相手のニーズを引き出し、それを満たすためにどうアクションを起こすかが、営業マンの理想像とも言えるでしょう。

私自身、このフレーズを使って、お客様の本音や要望を明確に把握し、それに基づいて提案を行うことを心掛けています。営業職として、最も大切なのはお客様本位で、相手のニーズに最適なサービスや商品を提供することです。

「ひとつ確認させていただきたいのですが」を上手に使いこなし、お客様との信頼関係を築く理想的な営業を目指していきましょう。

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