仕事でもプライベートでも、食事やイベント、飲み会に誘われることはよくあるものです。しかし、どうしても都合がつかない場合や、気が進まないときには、やんわりと断る必要があります。
そんなとき、単に「行けません」「無理です」と答えると、冷たい印象を与えてしまうことも。できれば相手の好意に感謝しつつ、関係を損なわない形で断りたいですよね。
そこで便利なのが「せっかくの誘いですが…」というクッションフレーズ。この言葉を使うことで、相手が誘ってくれたことへの感謝を示しながら、やんわりと断ることができます。
本記事では、「せっかくの誘いですが…」の意味や使い方、失礼にならない断り方のコツを詳しく解説します。ビジネスやプライベートで上手に活用し、円滑なコミュニケーションを築くヒントにしてみてください。
ぜ「せっかくの誘いですが…」が便利なのか
仕事やプライベートで、食事やイベント・飲み会に誘われることは多いものです。しかし、どうしても都合が合わない・気乗りしない状況では断りの返事が必要になります。そんなとき、直接的に「行けません」「無理です」と伝えると、どうしても冷たい印象を与えがちです。
- 柔らかいニュアンスを出したい
- 相手の好意に感謝を示したい
- 次の機会につなげられるようにしたい
こうした場合に便利なのが「せっかくの誘いですが…」というクッションフレーズです。相手がわざわざ時間や労力をかけて誘ってくれたことに感謝しながらお断りできるので、大きな角が立ちにくいのが特徴です。
「せっかく」の含意を理解する
●「せっかく」の語感
「せっかく」という言葉は「時間や手間をかけてわざわざ」といった意味を含んでいます。辞書的には以下のようなニュアンスが挙げられます。
- 面倒や苦労を惜しんで行動した
- わざわざ機会を用意してくれた
- 好意や尽力を示してくれた
そのため、「せっかくのお誘いですが…」は「わざわざ誘ってくださったのに申し訳ありません」という気持ちを表現するのにうってつけと言えます。
断り方の基本マナー3つのポイント
1)相手の厚意を認めて感謝を示す
「お声をかけていただき、ありがとうございます」「素敵なお誘い、感謝いたします」といった一言を添えるだけで、相手へのリスペクトが伝わります。
2)断る理由を簡潔に伝える
「別件があるため」「体調不良のため」「当日は先約がございまして」など、納得感のある理由を端的に述べましょう。あまりに詳細を説明する必要はありませんが、一切理由を言わないと相手が困惑する場合があります。
3)次の機会につなげる
「またの機会がございましたら」「改めてお声かけいただければ幸いです」といった言葉を添えておくと、今後の関係を円滑に保つことができます。
【NG例】失礼になりやすい断り方
以下のような表現は、断りたい気持ちが先行してしまい、相手への配慮が足りないと受け取られがちです。ビジネスはもちろん、プライベートでもできるだけ控えましょう。
- 「せっかくの誘いですが、参加できません」
- 「せっかく誘ってもらっても、理由は言えません」
- 「残念ですが、あまり興味がないので…」
- 「正直、そこまで仲がいいわけではないので…」
- 「お断りします。ほかに優先したいことがありまして」
これらは一方的な断絶感を相手に与えてしまうため、特にビジネス上のやりとりでは避けるほうが無難です。
【おすすめ例文20選】
ここでは、「せっかくの誘いですが」を用いたサンプルフレーズを20個ピックアップしました。人名・社名はすべて架空のものです。自分の環境に合わせてアレンジしてみてください。
- 「今回は声をかけていただき、本当にありがとうございます。せっかくのお誘いなのですが、ちょうど海外出張の予定が重なっておりまして、残念ですが失礼させていただきます。次のチャンスがあればぜひお願いします。」
- 「せっかくご都合を合わせていただいたところ申し訳ありません。あいにく同日の夕方に先約があり、参加が難しい状況です。お気遣いをいただきながら大変恐縮ですが、また別の機会に誘っていただけると嬉しいです。」
- 「このたびは、株式会社エスティック様主催の懇親会にお声かけくださりありがとうございます。せっかくのお誘いではございますが、当日は家族行事が入っているため、残念ながら参加を見送らせてください。次の機会を心待ちにしております。」
- 「せっかくのお誘いなのに大変心苦しいのですが、その週は既に予定が立て込んでおり、申し訳ありませんが今回は欠席させていただきます。次回はスケジュールを調整して参加したいと思っておりますので、ぜひまたお誘いください。」
- 「貴重なお声がけをいただき、ありがとうございます。せっかくではございますが、当日は急な出張に出る可能性が高く、ご一緒するのが難しい状況です。お心遣いをいただいたのに申し訳ありませんが、また改めて機会がございましたらお願いします。」
- 「株式会社リファインの山岡様、このたびはゴルフコンペへのお誘いありがとうございます。せっかくの機会ですが、当日は子どもの運動会に参加する予定があり、出席がかないません。次のラウンドにはぜひともご一緒できれば幸いです。」
- 「先日は大変お世話になりました。飲み会にお誘いいただき心より感謝いたします。せっかくですので私も参加したかったのですが、実は医師からアルコールを控えるように指示が出ており、今回は遠慮させてください。お気遣いを無駄にしてしまい申し訳ありません。」
- 「せっかくのお誘い、誠にありがとうございます。以前から興味のあるイベントだったので参加したかったのですが、残念ながら親族の法事と重なり予定が合いそうにありません。次の開催があればぜひ声をかけていただけると助かります。」
- 「いつもサポートいただきありがとうございます。実は、同日に大切な取引先との打ち合わせがあり、そちらを優先せざるを得ません。せっかくのお誘いに応えたい気持ちはやまやまですが、今回は残念ながら見合わせていただきます。」
- 「この度、株式会社アクティブプレイスの創立パーティーにお招きくださり、誠にありがとうございます。せっかくの機会にもかかわらず、当日は別件のイベント運営を任されておりまして、参加が難しい状態です。お気遣いに感謝いたします。」
- 「誘っていただき本当に嬉しいです。ところが、来週はすでにプライベートな予定がたてこんでおり、今回は残念ながらご一緒できそうにありません。せっかくのお気遣いをいただきながら申し訳ありませんが、どうぞご容赦ください。」
- 「せっかくのお誘いをいただきありがとうございます。ただ、その日は大事な家族行事と重なっており、どうしてもスケジュールの都合がつきません。お手数をおかけしますが、また別の日程でぜひお誘いください。」
- 「大変ありがたいお声がけなのですが、実は翌日の朝早くから出張が入っており、夜遅くまでの会合に参加することが難しい状況です。せっかくの誘いにご期待に沿えず申し訳ございませんが、次回はぜひ参加を検討させていただきたいです。」
- 「株式会社トーラスの佐久間様、先日は突然のご連絡にもかかわらずお招きいただき、誠にありがとうございます。せっかくではございますが、直近で大きなプレゼンを控えており、そちらの準備で手いっぱいのため今回のパーティーは見送らせてください。」
- 「貴社の新作展示会、お誘いくださりありがとうございます。せっかくの機会ですので拝見したかったのですが、当日は商談が重なっており時間の調整がつきません。お気持ちを頂戴しながら心苦しい限りですが、また次の機会にぜひお願いできればと思います。」
- 「この度は、新年会のご案内をいただき誠に感謝しております。せっかくではありますが、その日は家族と旅行に行く予定を既に立てており、出席がかないません。本来ならぜひ参加したいところなのですが、申し訳ございません。」
- 「同窓会の企画をしていただき、ありがとうございます。とても楽しそうな会合なので参加したかったのですが、年度末の繁忙期と重なりどうしても出席が難しい状況です。せっかくのお誘いにもかかわらず無駄にしてしまい、申し訳ありません。」
- 「せっかくの誘いをいただき、嬉しく思います。しかしながら、私用が入っており抜けることができません。せっかく気にかけていただいたにもかかわらず、このたびはご容赦いただければ幸いです。また別の折にぜひお声かけください。」
- 「ご丁寧に忘年会のお誘いをいただき、ありがとうございます。元々かなり興味があった会場のようで、ぜひ参加したかったのですが、残念ながらその日は社内研修があり外せない状況です。せっかくの機会を逃して残念ですが、どうぞ楽しんでいらしてください。」
- 「このたび株式会社デルフォの創立10周年式典へのご招待、心より感謝いたします。せっかくお誘いくださったにもかかわらず、当日は県外出張のため参加できない状況です。大変心苦しいのですが、今後ともよろしくお願いいたします。」
営業・ビジネスでの応用ポイント
●無理な約束は避ける
ビジネスでは「できないものはできない」と早めに伝えるのが鉄則。曖昧にして期待を持たせてしまうと、相手を余計に困らせる場合があります。
●クッション言葉を活用する
「せっかくのご提案をいただきながら恐縮ですが…」「大変ありがたいお誘いではございますが…」など、ひとこと加えるだけで相手への尊重が強調されます。
●次のアクションを示す
「もしスケジュールが合うようでしたら、来月再度お声かけいただけますか」「今回のご縁をきっかけに、別の件でお力添えができれば幸いです」など、単なる断りで終わらせないのも大切です。
まとめ:上手に断って気持ちのよい関係を
- 「せっかく」の表現を使うことで、相手の厚意を無下にしない断りが実現できる
- 断る理由を述べるときは、短く要点を絞り相手の納得感を高める
- 可能なら「次回」「また別の機会」を匂わせることで、関係を継続させる
人間関係を大切にしながら自分の予定や都合を守るためには、適切に断るスキルが不可欠です。「せっかくのお誘いですが…」と切り出すことで、相手を尊重しつつやんわりと辞退の意を伝えましょう。上手に使いこなせば、ビジネスシーンのみならず、プライベートでも“断り上手”として好印象を残すことができるはずです。
ぜひ今回紹介した例文やポイントを参考に、円滑なコミュニケーションにつなげてください。無用なトラブルを避けながら、相手との信頼関係を長く続けられるような言葉遣いを心がけましょう。
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