日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる「ただいま」という言葉。
一見シンプルな表現ですが、状況によって意味が変わるため、適切に使い分けることが求められます。
例えば、帰宅時の挨拶としての「ただいま」と、電話応対や業務報告で使う「ただいま」では、ニュアンスが異なります。
また、「ただいま」は敬語ではないため、ビジネスで使用する際には、後に続く言葉を工夫することが重要です。
本記事では、「ただいま」の正しい使い方やビジネスでの適切な表現、よくある誤用例について詳しく解説します。
さらに、類似表現や、より丁寧な言い回しもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ただいま」の意味と使い方
「ただいま」という言葉には、状況に応じて異なる意味があり、ビジネスシーンや日常会話で幅広く使われます。
ここでは、「ただいま」が持つ意味や使い方について詳しく解説します。
1. 「今」「現在」を表す場合
「ただいま」は、「今」や「現在」を丁寧に表現する際に用いられます。
例えば、公式な場面では以下のように使われます。
- 「ただいまより、令和○年度の新年総会を開催いたします。」
- 「ただいまの時間をもちまして、式を開始いたします。」
また、挨拶として使う「ただいま」は、
「ただいま帰りました」 や 「ただいま戻りました」 を省略した形です。
外回りや出張から戻った際は、省略せずに以下のように使うのが適切です。
- 「ただいま帰りました。」
- 「ただいま戻りました。」
また、「より」と組み合わせることで、より丁寧な表現になります。
- 「ただいまより、年度末決算報告を開始いたします。」
2. 「すぐに」「間もなく」を表す場合
「ただいま」は、「今まさに行われる」または「間もなく行われる」ことを伝える際にも使われます。
例えば、受付や接客の場面で次のような表現が用いられます。
- 「ただいま係の者が参ります。」
- 「ただいま○○が対応いたしますので、少々お待ちください。」
この場合、「ただいま」は「すぐに」や「まもなく」といった意味合いを持ちます。
3. 「少し前の出来事」を表す場合
「ただいま」は、「ほんの少し前に起こったこと」を表現する際にも使用されます。
例えば、相手がすでに退席していることを伝える場合、
- 「○○様はただいまお帰りになられました。」
- 「○○はただいま外出しております。」
このように「ただいま」を使うことで、過去の出来事を丁寧に伝えることができます。
一方、「今帰りました」という表現は、敬語として適切ではないため、
「ただいまお戻りになられました」などの表現を使うと、丁寧で自然な言い回しになります。
4. メールでの「ただいま」の使い方
ビジネスメールでは、「ただいま」は「現在」の丁寧な表現としてよく使われます。
例文:
- 「お問い合わせの件ですが、ただいま対応中です。復旧まで今しばらくお待ちください。」
- 「ただいま、担当者が確認しております。結果が分かり次第、ご連絡いたします。」
このように、状況を丁寧に伝える際に便利な表現です。
「ただいま」は、ビジネスシーンや日常会話で非常に便利な言葉ですが、使い方によって微妙に意味が変わるため、適切なシーンで正しく活用しましょう。
「ただいま」の誤った使い方と適切な表現
「ただいま」は便利な表現ですが、それ自体は敬語ではありません。
正しく使わないと、不自然な表現になったり、相手に違和感を与えたりすることがあります。
以下は、誤った使い方の例です。
NG例
- 「課長の大村はただいま来ますのでお待ちください。」
- 「ただいまお待たせいたしました。」
- 「ただいまいただいたお電話で恐縮ですが…」
- 「中沢は不在ですので、ただいま折り返しさせていただきます。」
- 「ただいま駆け出しの新入社員ですが、よろしくお願いいたします。」
- 「ただいまお忙しい中をお越しいただき、恐れ入ります。」
- 「ただいま近くまで来たものですから、立ち寄らせていただきました。」
正しい使い方のポイント
「ただいま」は単独で敬語として成り立ちません。
そのため、後に敬語表現を加えることで、適切な表現になります。
例えば、「ただいま」は帰宅時に使われることが多いですが、
後に省略されている 「帰りました」 を加えると、以下のように丁寧な表現になります。
- 「ただいま帰りました。」
- 「ただいま戻りました。」
このように、適切な言葉を加えることで、敬語として自然な表現になります。
次回からは、「ただいま」の後に敬語表現を付け加え、
状況に応じた適切なフレーズを使うようにしましょう。
「ただいま」を使ったおすすめフレーズ30選
「ただいま」を用いた、さまざまなシチュエーションで活用できる例文を紹介します。
- 「田中はただいま席を外しております。戻りましたら折り返しご連絡いたします。」
- 「そのサイズは申し訳ございませんが、ただいま品切れとなっております。」
- 「ただいま検証中でございますので、もうしばらくお待ちください。」
- 「ただいま確認中でございます。確認が取れ次第、折り返しご連絡いたします。」
- 「ただいまの時間は営業時間外となっております。営業時間は午前9時から午後5時までです。」
- 「ただいまそちらへ向かっております。到着まで今しばらくお待ちください。」
- 「ただいま店内が満席のため、お名前をご記入のうえ、お待ちいただけますでしょうか。」
- 「ただいまメンテナンス作業を行っており、一時的にサービスを停止しております。ご不便をおかけしますが、復旧までお待ちください。」
- 「鈴木はただいま別の電話対応中でございます。終わり次第折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。」
- 「担当の者がただいま現場に向かっております。お時間をいただき申し訳ございません。」
- 「ただいまより、小さなお子様をお連れのお客様や特別なお手伝いが必要なお客様の優先搭乗を開始いたします。」
- 「ただいま確認してまいりますので、少々お待ちくださいませ。」
- 「ただいま総合受付にてギフト券をご購入のお客様へご案内がございます。お近くの係員までお声がけください。」
- 「ただいま別件対応中のため、完了次第こちらから折り返しいたします。」
- 「ただいまより、令和○年度の卒業式を執り行います。」
- 「ただいまの時刻は15時30分でございます。」
- 「ただいまご紹介にあずかりました、営業部の山本と申します。」
- 「ただいま原因を調査しております。結果が判明するまで、もうしばらくお待ちください。」
- 「佐々木がただいま向かっておりますので、応接室にてお待ちください。」
- 「ただいま津波注意報が発表されました。沿岸部にお住まいの方は十分ご注意ください。」
- 「事故の原因につきましては、ただいま社内全体で調査を進めております。」
- 「より詳細なデータをまとめた最新の資料をただいまお持ちいたしますので、少々お待ちください。」
- 「ただいまより12月度の新商品発表会を開始いたします。」
- 「ただいま試験期間中につき、関係者以外の立ち入りをご遠慮いただいております。」
- 「先日のご提案に関しまして、ただいま社内で検討を進めております。回答まで今しばらくお待ちください。」
- 「ただいま開店準備中のため、ご入店まで今しばらくお待ちください。」
- 「お電話ありがとうございます。ただいま担当者が不在のため、恐れ入りますが、改めておかけ直しくださいますようお願いいたします。」
- 「伊藤です。ただいま戻りました。」
- 「申し訳ありませんが、佐藤はただいま会議中です。」
- 「山田はただいま会議中のため、お電話に出ることができません。会議終了後、折り返しさせていただきますので、ご連絡先をお伺いできますでしょうか。」
「ただいま」は、ビジネスシーンや日常会話で非常に便利な表現ですが、使い方を誤ると不自然な印象を与えてしまうことがあります。
適切な表現を選び、場面に応じた使い分けを意識して活用しましょう。
「ただいま」に近い表現とその使い方
「ただいま」と似た意味を持つ表現をいくつかご紹介します。
状況に応じて適切な言葉を使い分けることで、より丁寧な表現が可能になります。
1. 「今すぐ参ります」
「今すぐ参ります」は、目上の人のもとへ向かうことを丁寧に表す表現です。
「すぐに向かう」という意思を強調したい場合に、「今すぐ」を付け加えることで、より明確な表現になります。
使用例:
- 「今すぐ参りますので、少々お待ちくださいませ。」
- 「○○が今すぐ参りますので、応接室でお待ちいただけますでしょうか。」
2. 「目下」
「目下(もっか)」は、「現在進行中であること」を示す表現です。
「ただいま」と同様に、継続中の状態を表し、特に「調査中」「検討中」などの言葉と組み合わせて使われます。
使用例:
- 「目下、検討中でございますので、回答までもう少々お待ちください。」
- 「この件については目下調査中であり、分かり次第ご連絡いたします。」
3. 「あいにくですが」
「あいにくですが」は、「希望に沿えず申し訳ない」というニュアンスを含む表現です。
「ただいま○○中です」と直接伝えるよりも、相手に対する配慮を示すことができます。
使用例:
- 「あいにくですが、佐藤はただいま外出中でございます。」
- 「あいにくではございますが、現在お電話には対応できかねます。」
このように、シチュエーションに応じて「ただいま」に代わる適切な表現を使い分けることで、
より丁寧な対応が可能になります。
まとめ:「ただいま」を正しく使いこなすために
ここまで、「ただいま」の意味や使い方について解説してきました。
この言葉は、来客対応や電話応対など、相手をお待たせする場面でよく使われる表現です。
そのため、適切に活用することで、スムーズな対応が可能になります。
取引先や社内から連絡を受けた際、すぐに対応できない場面では、以前「ただいま○○の対応をしておりますので…」 といったフレーズをよく使用していました。
「ただいま」を使う際の注意点
前述の通り、「ただいま」自体は敬語ではありません。
そのため、「ただいま」に続くフレーズを敬語で表現することが重要です。
例えば、
- 「ただいま対応中でございますので、少々お待ちください。」
- 「ただいま確認しておりますので、折り返しご連絡させていただきます。」
このように、正しい敬語表現を組み合わせることで、より丁寧な印象を与えることができます。
忙しい時こそ、丁寧な対応を心がける
「ただいま」を使う場面は、多くの場合、業務が立て込んでいるときです。
しかし、忙しいからこそ、相手への配慮を忘れずに、適切な言葉遣いを意識することが大切です。
「ただいま」を適切に活用し、信頼される営業マンを目指しましょう。
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