「よろしくお伝えください」というフレーズは、相手に自分の意向や気持ちを伝えてもらう際に使う表現ですが、その使い方を誤ると相手に不快感を与えてしまうことがあります。
特にビジネスシーンでは、適切な場面で使うことが重要です。
このフレーズは、相手の状況に応じてうまく伝えるという意図が込められているため、その意味を正しく理解し、誤解を避けることが求められます。
この記事では、「よろしくお伝えください」の正しい意味と使い方を詳しく解説し、ビジネスシーンでの注意点や文例を紹介します。
「よろしくお伝えください」の意味
「よろしくお伝えください」というフレーズには、相手の都合や状況に合わせて自分の気持ちを適切に伝えてほしいという意図が込められています。
「よろしく」という言葉の意味は以下の通りです。
【よろしく】
- 適度に、うまく
- 相手にお願いする際に使う言葉
- どうぞ、ぜひとも
「よろしくお伝えください」を「よろしくと伝えてください」と誤解して使う人もいますが、実際にはその意味は少し異なります。元々の意味としては、「あなたの良いように、私の意向をうまく伝えてください」というニュアンスが含まれています。
「よろしくお伝えください」の使い方
「よろしくお伝えください」は、通常、目上の人には使わない方が良い表現です。
このフレーズは、「相手がどのように伝えるかをお任せします」という意味が込められており、依頼を相手に委ねるニュアンスが強いため、目上の方に使うことは避けた方が無難です。
ただし、ビジネスシーンでは目上の人に使われることもあります。その場合、少しでも失礼にならないよう、以下のような言葉と一緒に使うとよいでしょう。
- 「何卒(なにとぞ)」
- 「どうぞ」
たとえば、ビジネスで直接会った相手に対して「○○様に、どうぞよろしくお伝えください」と言うのは問題ありません。
しかし、相手の部下に伝えたい場合は注意が必要です。部下に伝言を頼むことが失礼にあたることがあるためです。
部下にあたる人にお願いする場合は、「御社の○○様には、日頃より大変お世話になっております」といった表現にとどめるのが適切です。
「よろしくお伝えください」を使った文例20選
こちらでは「よろしくお伝えください」を含む文例をご紹介します。
- 感謝の意を伝える場合 今日のご参加、心から感謝申し上げます。どうぞ、皆様にもよろしくお伝えください。
- 謝罪の際 弊社の不手際によりご迷惑をおかけしました。どうぞ奥様にもよろしくお伝えください。
- メールでのお礼 先日は結婚祝いを頂き、ありがとうございました。後日、改めてご挨拶に伺います。まずはお礼を申し上げます。ご主人様にもよろしくお伝えください。
- お土産に対するお礼 奥様に感謝の気持ちを、どうぞよろしくお伝えください。
- 会えなかった取引先の上司へ 中本課長に、どうぞよろしくお伝えください。
- 会社を後にする際の挨拶 皆様にもよろしくお伝えください。
- 打ち合わせ後の挨拶 A課長にどうぞよろしくお伝えください。
- 相手の家族へ 奥様にもよろしくお伝えください。
- 共通の知り合いへ 美里ちゃんに会ったらよろしく伝えてね。
- 会えなかった相手への伝言 山下さんにお会いできず残念でした。くれぐれもよろしくお伝えください。
- メールや手紙での締めくくり ご家族の皆様にもよろしくお伝えください。
- 店舗からのお礼メール 先日はご来店いただきありがとうございました。お嬢様方にも、当店の料理を楽しんでいただけたでしょうか? ご家族の皆様によろしくお伝えください。
- 打ち合わせ報告メール 先日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。案件の進行について、参加者全員にもよろしくお伝えください。
- 欠席の際の謝罪メール 急な事情で欠席することとなり、申し訳ございません。参加者皆様にも、どうぞよろしくお伝えください。
- 上司への伝言依頼 本日はご来社いただきありがとうございました。松井課長にもよろしくお伝えください。
- 部下への伝言 部下への伝言を上司に依頼する際は、「○○さんには日頃お世話になっております」と伝えた方が良いでしょう。
- 急遽欠席した場合の伝言 鈴木さんにお会いできず非常に残念です。次回お会いできるのを楽しみにしていますと、くれぐれもよろしくお伝えください。
- 上司の家族への感謝の伝言 井本課長、昨日はご自宅にお招きいただきありがとうございました。奥様にはよろしくお伝えください。
- 上司が訪問する取引先への伝言 木村課長、先日担当していた和田部長にはどうぞよろしくお伝えください。
- 会合を欠席する場合の伝言 本日は急遽欠席となり、課長にご負担をおかけして申し訳ありません。A社のご担当者様にもよろしくお伝えください。
「よろしくお伝えください」の誤用例
以下のような使い方は適切ではありません。
- 高山課長とはよくお会いする機会があり、先程もご挨拶させていただきました。どうぞよろしくお伝えください。
- 仁科様には昨日も面談させていただきましたが、よろしくお伝えください。
- 工藤先生には毎週の会計セミナーでお世話になっています。よろしくお伝えください。
- 本日の打ち合わせには予定通り参加いたします。御社の担当者様にもよろしくお伝えください。
- 社長にはどうぞよろしくお伝えください。ところで、提案についてですが…
このように使うのは避けましょう。
「よろしくお伝えください」の営業マンの使い方
「よろしくお伝えください」は、相手がその場にいない場合に、その人に適切に伝えてもらうようお願いするフレーズです。
この言葉はビジネスの場でもよく使われる社交辞令ですが、使い方を誤ると、逆に不快感を与えることもあります。
多くのビジネスシーンで使用されるため、その意味を正しく理解しておくことが重要です。人間関係を円滑に進めるためにも、「よろしくお伝えください」の使い方をしっかり身につけましょう。
これまで気軽に使っていた方も、相手やシチュエーションによっては、思わぬ失礼に繋がることがあります。伝言を頼む相手との関係性や、依頼を受ける人の立場を考慮して使うことが大切です。
良いタイミングで、伝えたい気持ちや情報を相手に上手に伝えてもらいましょう。
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