「蓋然性が高い」「可能性が高い」の違いとは?正しい使い方と適切な使用例文・誤用のNG例文

ビジネスで使える正しい日本語

「蓋然性が高い」という表現は、普段あまり耳にすることは少ないかもしれません。

この言葉の読み方は「がいぜんせいがたかい」となりますが、その意味は「確率」とほぼ同じと考えて問題ありません。

「蓋然性が高い」というのは、確率が高いという意味であり、逆に確率が低い場合は「蓋然性が低い」と表現できます。

類似の表現としてよく使われるのは「可能性がある」という言葉ですが、この二つには少しだけ違いがあります。その違いを意識して使えば問題ありません。

厳密には、主に違いは「主観的か客観的か」に関係しています。また、希望的観測が含まれているかどうかもポイントです。

– 「蓋然性が高い」は、客観的に見てその事象が起こる確率が高いという意味
– 「可能性がある」は、主観的に見て、希望的観測も含めてその事象が起こりそうだという意味

厳密には、それぞれを使う場面を分ける必要はありませんが、ビジネスシーンでは客観的な意見として「蓋然性が高い」を使うことが有効です。これは、説得力のある主張や交渉に役立ちます。

この言葉を使いこなすことができれば、交渉力やプレゼンテーションのスキルが向上するため、ぜひその使い方を習得することをお勧めします。

ビジネスシーンでの「蓋然性」の使い方

以下は、「蓋然性が高い/低い」の例文のリライトです。ご参考になれば幸いです。

  • 明日、大きなスポーツイベントが開催される。多くの人が移動するため、交通渋滞や公共交通機関の混雑が発生する蓋然性が高い。
  • この商品は競合との差別化要素を持っているため、利益を確保できる蓋然性が高いと見込まれる。
  • 市場調査の結果、リニューアル後に目標とする売上を達成できる蓋然性が高いと予測されています。
  • 退職の意向を上司に伝えたが、これまでの会社の方針を見る限り、辞めさせてもらえる蓋然性は低いだろう。
  • この計画を修正せずに実行に移した場合、競合分析が不十分であり、1年以内に会社の存続が危ぶまれる蓋然性が非常に高い。
  • 日本製の車や機械は耐久性が高いことで世界中に評価されている。一般的な使用方法であれば20年以上使用できる蓋然性が高い。
  • 彼は過去に何度も約束を破ってきたため、明日の重要な会議に出席する蓋然性は非常に低いと考えられる。
  • 発売前から注目を集めている商品がある。この商品はマーケティング的に見て、初日で売り切れる蓋然性が高い。
  • 財政状況の改善を図るため、事業規模が大幅に縮小される蓋然性が高い。
  • 顧客アンケートの結果、多くの人がデザイン変更に賛成していることがわかりました。よって、新商品のデザイン変更が売上増加に繋がる蓋然性が高いといえます。
  • 明日のプレゼンテーションでは積極的に発表する蓋然性が高い。
  • 彼のプレゼンはいつもわかりやすく印象的だが、根拠となるデータや具体的な数字がなく、信頼性に欠ける蓋然性が高い。
  • 提出された報告書をもとに役員と協議した結果、このプロジェクトが成功する蓋然性が高いとの結論に至った。
  • 新技術は成功する蓋然性が高い。過去に類似のプロジェクトが成功しており、市場の需要も見込めるため、今回も成功する蓋然性が高いと考えられる。
  • 他の企業の動向を見て、世間の関心が高まりブームが起こっているため、この市場に参入する企業が増える蓋然性が高い。
  • このプロジェクトチームは実績豊富なメンバーで構成されており、成功する蓋然性が高いと期待されています。
  • 忙しくて日々の報告書チェックを十分に行えていないため、月末の在庫棚卸し時に帳簿と実際の数値が合わない蓋然性が高い。
  • 退職の意向を上司に伝えたが、これまでの会社の方針を見る限り、辞めさせてもらえる蓋然性は低いだろう。

天候に関連して「蓋然性」を使う例

  • 天気予報によると、明日は非常に強い台風が接近し、暴風警報が発令される見込みです。そのため、新幹線が運休になる蓋然性が高いです。
  • 明日の天気は晴れる蓋然性が高いと予測されています。この予報が正しいと考えられる蓋然性は非常に高いですが、詳細については天気予報を確認するのが最も確実です。
  • この地域は台風がよく通過するため、今後も災害が発生する蓋然性があることを念頭に置いておく必要があります。

時事・ニュースに関連して「蓋然性」を使う例

  • 国家公安委員長がパーティーで不適切な発言をし、その発言を撤回しないまま国会で問題視されています。このため、大臣の更迭が行われる蓋然性が非常に高いです。
  • バイデン氏が2024年の大統領選に立候補することを表明しました。他の有力候補者がまだ出ていないため、バイデン氏と共和党の候補者が対決する構図になる蓋然性が高いです。
  • 出火現場の検証結果、灯油の跡とライターが残っていたことから、この火災は放火によるものである蓋然性が非常に高いです。
  • 人口減少が進んでいることを考えると、このまま推移すれば米の消費量が減少し、水田の減反率が高くなる蓋然性が高いです。
  • この技術に関する注目度が高まり、政府の規制緩和も進むことを踏まえると、この技術が急速に普及する蓋然性が高いと予測されます。

「可能性が高い」の方が望ましい場合

  • 昨日、彼女と別れ際に不愉快なことを言ってしまいました。そのため、今日会ったときには快く接してもらえない可能性が高いです。
  • 以前、仕事の失敗に対して部下を厳しく叱った後、その部下を飲みに誘いました。しかし、その部下は「ちょっとその日は予定が…」と歯切れが悪かったので、私の誘いを断られる可能性が高いでしょう。
  • 運動不足解消のために久しぶりに1時間以上ジョギングをしました。既に筋肉が痛み始めているため、明日以降筋肉痛が生じる可能性が高いです。
  • 彼はあがり症で、プレゼンテーションの際に言葉が詰まりがちです。成功を期待していますが、明日も同じように詰まってしまう可能性が高いです。
  • 風邪の症状があり、身体が熱っぽく、くしゃみも出るため、風邪を引いた可能性が高いと思われます。
  • 締め切りまであと1時間しかなく、間に合わない可能性が高いので、相手に謝罪のメールを先に送っておこうと思います。
  • 昨日は仕事が遅くなり、寝るのが遅くなったため、明日は一日中眠くなる可能性が高いです。
  • 冷蔵庫が壊れてしまい、暑い日が続くため食品の保存状態が悪くなり、食中毒になる可能性が高いと思います。

「蓋然性高い」の使い方についてのまとめ

いかがだったでしょうか。言葉の意味は大きく変わることはないと思いますが、

「蓋然性が高い」という表現は、客観的な根拠がしっかりしているほど、その信憑性が増す言葉です。

もし根拠が曖昧で、「なんとなくそうだろう」という程度であれば、無理に「蓋然性が高い」と言うのではなく、「可能性がある」といった表現を使う方が安全です。

自分の意見を述べるのではなく、広く認められている意見として、「そうである」と強調する場合に、

「蓋然性が高い」という言葉を使うのが最適です。

この表現を上手に使えるようになれば、プレゼンテーション能力も向上します。

ぜひその使い方を習得し、優れたビジネスパーソンを目指していただければと思います。

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